歯周病治療
歯周病治療
歯周病の原因と予防
歯周病は、歯を支える組織が菌に感染する病気で、重症化すると歯を失う可能性が高いことが分かっています。
むし歯も菌によって引き起こされる感染症ですが、お口の中には何種類もの菌が存在し、むし歯になりにくい方でも歯周病になる可能性はあるため、気をつけなくてはいけません。歯周病は、軽度であれば正しいブラッシングや数回のクリーニングで改善できますが、進行すると歯を支える骨が溶かされるため治療が難しくなります。場合によっては汚れを徹底的に除去するための手術が必要です。
たとえ軽度でも定期的なプロによるケアがなければコントロールはできません。治療の後は定期検診をかならず受けるようにしましょう。
歯周病と全身疾患との関連について
歯周病はお口の中だけの病気ではなく、全身の健康にも影響を及ぼします。
歯周病は、お口の中だけに影響する病気ではありません。歯周病菌やその菌が産生する毒素を発生させるため、血液を通して全身に広がり、病気やトラブルを引き起こします。昨今の研究では、心臓病や糖尿病、脳卒中、早産や低体重児出産などのリスクが上がることが分かっています。
歯周病の進行状況に適した治療を行います
当院では歯周病の進行度に合わせ、さまざまな治療を行っています。
歯肉炎
歯肉炎とは、初期の歯周病のことで歯ぐきにのみ影響がみられる状態を指します。主な症状は歯ぐきの発赤と少量の出血で、お手入れ方法の改善や数回のクリーニングによって治すことが可能です。治療期間は1~2週間程度でほとんど痛みはありません。
軽度の歯周病
軽度の歯周炎は歯肉炎のことを指し、歯周ポケット(歯と歯ぐきの境目の溝が深くなった状態)の深さは3mm~5mmです。
治療法は基本であるお手入れ方法の改善と数回のクリーニング(スケーリング)を行います。
スケーリング
スケーリングとは、歯科医院で行う歯石除去のことです。歯ブラシでは落とせない歯石を専用の機械や器具を使って除去し、歯周病の進行を防ぐ目的があります。歯周病が悪化すると施術中の痛みが強くなる傾向にあるため、早めの治療をおすすめします。
中等度の歯周病
中度の歯周炎は、歯周ポケットの深さが4mm〜7mmで、歯ぐきだけでなく歯の周りの組織にまで影響が出始めた状態を指します。
スケーリングにくわえてルートプレーニングと歯ぐきの炎症止めを使用し、改善を図ります。それでも効果がみられない場合は、歯ぐきを切って汚れを徹底的に除去する外科手術が必要です。
ルートプレーニング
ルートプレーニングは、歯周ポケット内の感染組織を除去し、かつ根っこの表面を滑らかにして汚れをつきにくくする処置です。
歯周病の進行を止めて改善を図る目的があり、基本的には事前に麻酔を行います。麻酔をしないスケーリングのみの施術よりも汚れの除去率が良くなるため、さらなる治療効果が期待できます。
重度の歯周病
重度の歯周病は、歯周ポケットの深さが7mm以上で、歯を支える歯槽骨がだいぶ溶けてしまった状態を指します。歯が大きくグラつくため、食事やお手入れの際に痛みを感じる方も少なくありません。外科手術をしても効果が得られない場合は、ほかの歯を守るために抜歯をすることもあります。
CT撮影を行い歯周病で歯を支える骨がどれくらいなくなってしまっているか。あるいは治療によりどれくらい骨が再生しているかを立体画像で視覚的に見ることにより、治療計画・治療方針・治療後の評価・確認などを緻密に行います。
フラップ手術
フラップ手術は、麻酔をして歯ぐきを切開し、根っこに付着している汚れを徹底的に除去する手術です。スケーリングやルートプレーニングといった基本治療を行っても改善がみられない場合に行われます。
歯周内科治療
ジスロマック
ジスロマックは抗生物質で、菌の増殖をおさえる効果があります。
歯や歯ぐきの表面にはバイオフィルムとよばれる透明な細菌の層が存在し、そのままの状態では薬を使用しても十分な効果を得ることができません。一方ジスロマックはバイオフィルム内への侵入が可能で、ほかの治療法と併用することでより高い治療効果が期待できます。
定期健診を新しい習慣にしましょう
定期的に歯科医院に通い、歯周病検査や治療を受けることで、歯周病がこれ以上悪化しないようコントロールできます。歯周病は軽度や中度、重度など段階がありますが、どのレベルであっても定期検診は必要です。また、歯周病にかかっていない方であっても健康な歯の維持に予防は欠かせませんので、ぜひ定期検診をご利用ください。
抜歯や全身の病気・トラブルのリスクを高めないためには、3〜4ヶ月に1回の定期検診がおすすめです。